二胡の演奏は、どんな調でも
たった7通りの左手指の形の組み合わせで行うことができます。
この表にある左手指のパターンが、実際の演奏にどう当てはめられるか見てみます。
まずはD調
第3ポジションまでの例を見てましょう。
(*黒い三角は半音関係であることを示しています。)
最初の7通つの形の運指表でみると、
このD調の運指
第一ポジションは「Ⅶ」
第二ポジションは「Ⅴ」
第三ポジションは「Ⅰ」
のパターンで演奏していることになります。
次はG調
このG調の運指
第一ポジションは「Ⅲ」
第二ポジションは「Ⅰ」
第三ポジションは「Ⅴ」
今度はF調
このF調の運指
第一ポジションは「Ⅰ」
第二ポジションは「Ⅴ」
第三ポジションは「Ⅰ」
のパターンで演奏されています。
どのパターンか、に注目
ここで注目してほしいのは、「Ⅰ」「Ⅴ」など、同じ手の形が他の調にも登場していること。
「あ、この調の第1ポジションは、あの調の第2ポジションと運指は同じなんだ!」
ということに気づいていくようにします。
「この調の第4ポジションをはじめて弾くけど、この音を外弦人差し指で弾くということは、あの調のあのポジションの運指と同じでは?」
というふうに、調をこえて運指パターンが関連付けられるになればしめたもの。
予談ですが
二胡の教本などでは、D調→G調→F調→B♭調の順に習うことが多いかと思います。
この4つの調については、運指が書かれた図が載ってたり、音階練習をみっちりやったり、指使いの準備をしてから曲へいくような流れが多いのではと思います。
でもそれ以後、C調やA調、E♭調なんてのは、運指の説明やら特に無しで突然曲の楽譜が出てきたりしませんか?
「ええー??こんな調やったことないし説明ないとわかんないよ!(叫)」となるわけですが、それは、
D・G・F・B♭の第二ポジションくらいまでで、二胡の演奏でよく使われる手の形のパターンのほとんどが登場しているからです。
新しい調の曲でも、それまでにやった運指のパターンの組み合わせで弾けるんだ、ということに気づいている人は、それ以後はじめて出会う調の運指にもすんなり対応することができます。
次は、ポジション移動練習曲をこの考え方に基いて解析してみましょう。
2012.1.30 F調の画像に誤りあり、修正しました。