二胡はさまざまなキーの曲を演奏することができますが、調が変わって指使いが変わることにニガテ意識がある人が多いのではないでしょうか。
そのニガテを克服するヒントとして、運指を「手の指の形」から考えてみます。
まずD調 どんな形?
二胡は最初に「D調」というキーの音階を学びます。
実際の演奏ではないことですが、D調第一ポジションの音階で抑えるとこに全て指を置いてみると↓
こんな位置関係になりますよね。
中指と薬指の位置が近いように見えます。
これを図にしてみると↓
黒三角は半音であることを示してます。
隣と音との距離が
全音→音押さえる場所の幅が広い→指が離れている
半音→押さえる場所の幅が狭い→指がくっついている
ひとつのポジションの中で、半音関係がどこにあるのかに注目します。
運指表にあるこの絵。
左右ふたつあるのは、内弦外弦それぞれの広げ方をあらわしています。
D調第一ポジションの場合は上の写真・図にあるように中指薬指の間が近く、あとは全音分広げた関係となり、それを模式的にあらわしています。
G調では?
次に「G調」を同じように見ています。
Gの音を1とする音階。運指表はこちら。
D調のときと半音関係の場所が変わっています。
内弦は中指と薬指が、
外弦は人差し指と中指が半音関係。狭く押さえることになります。
それで、運指表の絵にあるように、内弦外弦それぞれ別の手の形となるわけです。
手の広げ方のパターン
この手の形の組み合わせ、全ての調・全てのポジションで調べてみると実は、たったの7通りであることがわかりました。
()の中はがんばって押さえにいくことのできる音。
この表は、ひとつのポジションの中で、指それぞれが受け持つ音程を示しています。
開放弦については書いてありません。
数字譜で書かれる二胡曲は、基本的に全てこの7通りの左手指の広げ方パターンの組み合わせで演奏することができます。
D調第一ポジションは<Ⅶ>のパターン
G調第一ポジションは<Ⅲ>のパターン
の運指ですね。
もし今、外弦人指し指が「1」の音を押さえているなら、<Ⅴ>のパターン。
内弦中指が「4」を押さえているなら<Ⅵ>のパターン、ということになります。
【(内弦or外弦)で(人差し指or中指or薬指or小指)が(*)の音を押さえている】
ことだけがわかれば、反対の弦も含め、他の指が何の音を担当しているのかがわかることになります。
安定した音程への鍵
「これは、*調の第☆ポジションの運指」といちいち覚えるのではなく、最初にこの7つの運指パターンを覚えてしまって、「今はこのパターンだ」「この調のこのポジションのパターンはあの調と同じだ」などと思いながら練習していくことを積むと、応用が利くようになるのではと思っています。
慣れると、「今、*調を弾いている」という感覚がなくなってきます。
初めて演奏する調でも確信をもって演奏することができます。
アドリブ演奏への自由度が増します。
次は、この考え方を使って、ポジション移動で左手の形がどう変化していくかをみてみます。
二胡歴はまだ浅いのですが、G調という言葉でつまずいています。D調なら開放弦は1と5。G調のときは開放弦が5と2。
チューニングし直すのかーい。。。
このように混乱しております(-_-;)
二胡の数字譜は僕たちが日本の生活の中で触れている西洋の楽譜のルールと根本的な部分で違っています。これはどちらが優れているかというものではなく、それぞれに利点があり、中国の音楽では西洋とちがうルールを採用しているものです。
勝手が違って面食らうことは誰もが通る道です。先生につかれているのでしたら、ぜひそのルールの違いを説明してもらっておくといいと思いますよ!