糸の千斤を取り付ける場合、取り付ける高さと、弦と竿までの距離を考えなければなりません。
買ったときのそのまま、という貴方!
千斤のとりつけ位置の目的について考えてみましょう。
千斤の高さで何が変わる?
千斤の高さを変えると、2つの要素が変化します。
1)音の幅が変わる
千斤を高くすると、弦の上の指で押さえる場所の幅が広くなります。
手の広がらないはじめのうちは、千斤を余り高い場所に取り付けないほうかいいかもしれません。
かといって、「ちゃんと音程が出ないから」と安易に千斤を下げたりすると、いつまでたっても上達しませんよ!
千斤を低くして<音の幅が狭い>方が弾きやすそうに思いますが、
音の幅がせまい、ということは【すこしずれると大きく音程が変わる】ということ。
後述しますが、千斤が低いと弦の張力も弱まるので、少しの力で弦がたわんでそれで音程も変わってしまいます。
2)弦の張力が変わる
千斤の高さは人それぞれですが、どの高さにしたとしても、二胡の場合 内弦D/外弦Aにあわせることは同じです。
千斤が高くすると、同じ内弦D/外弦Aに合わせるためには、より強く張る必要があります。
弦の張りの強さはとても重要で、音色と演奏性に大きく影響があります。
それなりに強く弦を張ることで、音色にハリがでて音量がアップし、少しの力では弦がたわみにくくなるので音程も安定しやすくなります。
単純に言うと、千斤を高くするほうが音が良くなる、というわけです。
まとめると?
千斤を高くすると、手を広げなければならなくなりますが、音は良くなる。
千斤を低くすると、手は広げなくてもいいけど、音は悪くなる。
最初のうちは左手が広がらないから音色を犠牲にしてでも千斤は低めに設定して、
慣れて左手が広がるにしたがって、少しずつ千斤を高くしていく、というのがセオリーです。
どこまで高くする?
千斤を高くすると音色が良くなります。
しかし、あまり高くしすぎると、薬指や小指が届かなくなってしまう。これは本末転倒。
なので、第一ポジションの小指がギリギリ届く高さに千斤をもって行くのがいいのではないでしょうか。
ここで注意!
<第一ポジションの小指>は当然正しいフォームで押さえないと意味がありません。
この正しいフォームが身につくまでは、あまり無理のない高さで練習する必要があります。
とりあえずの千斤の高さのあわせ方としては↓が有名ですね。
→●はじめての千斤の高さのあわせかた
でもこれはあくまでも目安。どうしても楽器的に低めになります。
きれいな左手フォームがみにつくまではこれでいいと思います。
結論!千斤の高さはこう決めよう
【千斤の高さは正しいフォームの第一ポジションの小指がギリギリ届く高さに】
練習の果てに正しい左手フォームが身についたら。
千斤の意味をよく考えながら、いろいろと試してみられることをお勧めします!