千斤の高さの決め方について考えてみます。
とりあえず初心者は
*「千斤の高さ」とは、ここでは駒から千斤までの距離の話です。
千斤が高い(駒から千斤までの距離が離れている)と、押さえる場所の幅が広くなり、
千斤が低いと、それが近くなります。
千斤の高さを変えることで、演奏する人の手の大きさや広がり具合に楽器を合わせることができます。
とりあえずはじめての方は、この方法↓で仮に千斤の高さを決め、二胡をはじめます。
練習が進んだ人は
最初に大切にすることの一つが「左手の正しいフォーム」を身につけること。
キレイでムリのないフォームは大切な基礎技術です。
…で、まあ練習が進んで、フォームが固まったなと。身についたなとなったら。
千斤を少しずつ上げていくことをオススメします。
千斤を数ミリ上げてみる。
たぶん、そんなに違和感なく弾けるのではないでしょうか。
しばらく弾いて、問題ないようならまた数ミリ上げて…を時間をかけて繰り返してみます。
上げるといい の根拠
二胡は、一般的な使用法においては内弦D/外弦Aにあわあせると決まっています。
千斤を上げると、同じD/Aにあわせるにも、千斤が低い位置に比べて弦を強く張ることになります。
弦を強く張ることは音色にも影響があり、単純にハリのある音に替わり、音量もアップ、演奏性もあがると思います。
もちろんこれは程度ものです。
自分の左手の限界を超えた指の広がりが必要な高さになってしまうと、正しいフォームで演奏できなくなってしまいます。
「二胡メンテナンスやります!」
みたいなサービスにお願いして、千斤をグッとあげられたことはありませんか?
それは単純に、そのくらいの高さだといい音がするからです。
そのとたん、極端に弾きにくくなってしばらく弾いても慣れなさそうな場合は、
自分の手には合わない高さだ、ということができるかもしれません。
目的にあわせて
手の大きさ自体は千斤の高さに関係があるとは思いますが、すごく手の小さい人でも千斤の高い人も多いし、プロの女性奏者で初心者みたいな千斤の高さで弾いている人はいません。
でも上げすぎると弦の張力がかなり強くなって、柔らかくて深いビブラートが好きな方には弦が硬く感じられるかも。
上級者にとって、ある程度の高さは必要かと思いますが、それ以後は自身の目指す演奏法に会うようにいろいろな高さを試していってください。
ちなみに、僕は音量がほしいので、第一ポジションの小指がギリギリ届くことができる場所、左手の広がりを限界まで使うところに千斤をもっていっています。