二胡で行うスタッカートについて。
今回はとりあえず、スタッカートの基礎部分を。
スタッカートとは
スタッカート(staccato)は、
音の長さを短く切って弾く
こと。
「音価の半分の長さ鳴らす」と説明されるそうですが、実際にどのくらいの長さにするのかは、目的によって変わります。
二胡で使われる数字譜では、
このように、音符である数字の上に黒い下向きの三角形がある音をスタッカートで演奏します。
短く“聴こえる”こと
伸びる音を出すことができる弓奏楽器である二胡にとって、実は歯切れ良いスタッカートは難しい技術だったりします。
まずは細かいことは抜きにして、指示のある音を短く弾いてみるだけでいいと思います。
練習の中で注意して欲しいのは、指示のある音をいかに短く弾くか、ではなく、
前後も含めたフレーズの中で、スタッカートした音が短くなったように聴こえるように演奏すること
です。
スタッカートの指示のある音にだけに注目しないで、その音が「あ!短くなった!」と感じてもらえるように、その前後のフレーズを流麗に弾いて、落差を大きくすることも大切です。
この落差がしっかりあれば、スタッカート音自体がそれほどキレがなくても、十分変化の感じられる演奏になることは多いです。
逆に、十分に音を切りあげる技術を持っていても、前後との落差が少なければ効果が薄くなってしまいます。
なぜ?
演奏指示には目的があるはずです。
スタッカートなら、
・歯切れ良い演奏でリズムに変化を与えたい?
・それまでの流れを一瞬止めて緊張感を演出したい?
・フレーズの息継ぎ?
・それまでのフレーズの勢いのゴール?
・次から始まるフレーズへの助走?
他にも考えられると思います。
どういったつもりでここにスタッカートがあるのか、ということについて考えてみると、実際にどう演奏したらよいかについてのヒントが見つかるかもしれません。
やみくもに短く切ることだけに注目しないで、その前後のフレーズの中でスタッカートが効果的に聴こえることがなにより大切でっせ。
次は、具体的なスタッカートのテクニックについて。