二胡で使われる楽譜・数字譜とは


中国の民族音楽では、オタマジャクシが並んでいる五線譜ではなく、

数字譜

が使われています。

具体的な読み方などは省きますが、ざっくり説明しますと…
大きなアラビア数字の「1」「2」
などが音の高さ、長さを表しています。

音階は学校で習ったものと同じく、
ドレミファソラシド
の音階で演奏しますが、数字とは以下のように対応します。

民俗音楽だからといって奇天烈な音階を使っているのではなく、
ピアノやギターと同じ「12音階」なので安心ですw。
(もちろん、地方の音楽には変わった音階の音楽がたくさんあります。)

  *******

現在使われている数字譜は、音符が数字であること以外は
五線譜とほぼ同じルールで書かれます。
小節線、繰り返しの記号(セーニョとかコーダとか)、
強弱記号、#や♭といった臨時記号などは
五線譜と同じです。

なので、上の「キラキラ星」は
「1 1 5 5 6 6 5 0」
↓↓
「ドードーそーソーラーラーソー(休み)」
↓↓
「き~ら~き~ら~ひ~か~る~、」

と読めるわけです。

数字譜は、1700年代のスイスの哲学者、
ジャン・ジャック・ルソーが発明したと言われています。

中国へは、例によってシルクロードを通って伝わったという説と、
日本から伝わったという説とあります。
日本でもハーモニカや大正琴、ちょっと変形で長唄三味線なども数字の楽譜を使っています。

二胡を始めたい!という人にとって、
この見慣れない数字譜へのニガテ意識が強い人は多いです。

誰でもそうです。

別に数字でなければ書けないわけではないので、
同じ曲が数字譜と五線譜両方で掲載されている楽譜も出版されていますし、
わざわざ数字譜を五線譜に書き直してから練習される方もいらっしゃいます。

でも、数字譜は決して機能的に劣っている記譜法ではありません。
五線譜には五線譜の、数字譜には数字譜のメリットとデメリットがあって、
中国の音楽を記録するのに数字譜が都合がよかったから使われてきたんだと思います。

今はさらに時代が変わって、民族楽器をとりまく状況も変化し続けている中ですが、
数字譜のメリットを理解することで、自分が好きになった二胡の音楽がどんな環境の中で育ってきたかを多角的に捉えられるようになるんじゃないかと思っています。

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