運弓の雑音を考えるシリーズ!その3は、演奏中の弓の毛に注目です。
自分の演奏中を見てみよう
毎日の基礎練習でやっている、内弦のロングトーンを楽~に弾いてみてください。
自分の弓の状態を観察します。
次の2枚の写真のうち、どちらの弓の状態に近いでしょうか?
弓の毛の両端と内弦の三箇所がほぼ一直線になっていますか?
上の写真、ほぼ一直線ですね。
下のでは、写真は弦のところで毛が曲がっています。
毛が曲がって何が悪い?
内弦を弾くために弓を開き、毛の束を内弦に当てますが、そこで毛が曲がってしまう(内弦を頂点にした角ができる)ようだと、弓の進行方向以外のナナメ方向に余計な力がかかってしまう場合があります。
黒い矢印が毛の進行方向。
赤い矢印は毛の進行方向に対してナナメに弦にかかってしまう力の方向です。
楽に内弦開放ロングトーンを弾いた時でさえこうなるようなら、弓の毛の張り具合がユルユルか、毛を内弦に当てる力が強すぎるか…などの問題が考えられます。
必ず真っ直ぐじゃないとダメ、ではないよ
僕が習った先生は、弓の張りを極限まで緩めて弾く人で、いつも毛はフニャフニャダルダルでした。
どういうふうに弾いても、上記(悪)のような毛と弦の関係になっていたはずですが、その方はそれでバリバリ演奏されてました。
人それぞれの弾き方との関係もありますし、誰でも感情的な表現の部分ではリキ入ってこんな状態になります。現状で特に問題なければそれでよし。
普段、楽にロングトーン弾いているとき、毛がこんな状態になってて、雑音がでる、音色がキツい。そんな時。
毛がほぼ一直線に見える状態で最初から最後まで運弓できるように少し気にしてみてください。
弓のどの場所であっても、弦に与える圧力が同じ方向に同じ力でかかるように。
ここが目的です。
外弦でも、それなりに毛が一直線になるような感じで弾ける様、僕は注意しています。