弓奏楽器には必需品の松脂。
様々な種類がそれぞれの売り文句で販売されていますが、
ほんとにそんなにちがいあるの??そんなにどれも違いないよなあ~
と、思ってきました。
昨日の記事で5つの松脂を比べて、その個性には様々な違いがあることを今更ながら実感することができました。
松脂について、僕が感じてきたことをついでに書いてみます。
安い松脂と高い松脂の違い
松脂、いろんな値段のものがあります。
中国産の二胡用として売られているものでは、300円くらいの値段のものも見かけますね。
僕はかつて購入した安い松脂で
・極端に弓の引っかかりが弱い
・塗っても塗ってもぜんぜん毛につかない
この二点で「失敗した!」と感じたことがあります。
毛へのつきが悪い松脂は、松脂を塗るのにとても時間がかかってしまいます。ベルナルデルなどつきのいいものに比べると、これは相当な差がありました。
ガシガシ力を入れてしまうので毛も傷めていたかもしれません。
がんばって塗れたとしても、そもそも松脂の引っかかりが弱すぎて、違和感が強かったことも。
もちろん、500円程度の松脂でも使えるものあります。
2000円前後の松脂では、そういう失敗はなかったなと。
松脂は1個買えばずいぶん長く使えるものですから、使いやすいものを選べるといいと思います。
違いはすぐには分からない!
僕もずっと松脂には「大した違いはない」と思ってきました。
初めて使う松脂を、自分の弓にささっとつけて弾いてみても違いはよく分からないですね^^;。
昨日の記事で5種を弾き比べして、やはり(あたり前ですが^^;)松脂にはそれぞれ個性があり、自分らしい松脂探しも楽しいな、と感じました。
でもこれは人によりけりで、ちょっとつけただけでも違いをしっかり感じることができる人もいます。
そういう人はいいですが、松脂の違いが良く分からない人は、その場でその松脂の価値を判断しないで、やはりしばらく時間をかけて使ってみることが大切かと思います。
友達数人で違う松脂を買って、順番に交換しながらしばらくづつ使って、感触を意見交換するのもいいかもしれません。
新品の松脂はつかない!
昨日の記事で試したのは、どれも丸い松脂でした。
それらは丸くする成型の過程で、下図のように表面がすこし窪んでいます。
はじめは、この両端でしか塗れないので、ぜんぜんつかないこともあります(涙)。
今回一番困ったのはJADE。ぜんぜんつかなくてかなり苦労しました。
↑周辺の白い部分しか毛に触れてなかったんです。しばらくかかりました。
この部分が削れてしまって、全面で塗れるようになってからはスイスイ塗れました。
それでなくても新品は表面もツルツルなので、使い始めはちょっとつきにくい。
新品の松脂のつきが悪くても、しばらくは様子をみましょう。
意外に塗りやすかったのはコルスタイン。
松脂表面に凸モールドで文字が刻んでありました。
新品の状態でも、まずこの文字の部分から毛に触れていくので、それほど苦労しませんでした。
新品の塗りのために工夫されているのでしょうか?
ベルナルデルやYUEERは、すぐにいい感じで塗れますよ。やっぱ使いやすい。
バイオリン用?二胡用?
昨日の記事では4種のバイオリン用松脂を弾きましたが、それらに通じる印象として、「上品で明るく綺麗な音」というのがありました。
バイオリンの音の源なのですから、そういった気品高さは大切ですね。
一方で、民族色豊かな音色という意味では、すこし洗練されすぎているのかなとも思いました。
安い中国製の二胡用松脂には、バイオリン用松脂に比べ雑で使いにくいと感じる点が多いですが、それが民族楽器らしさを作っているのかもしれません。
なんか良い言い方ができないですがw。
YUEERは、そういった意味で民族楽器らしい音のする松脂といえるのかもなあ、と思いました。昨日の記事で試した5種の中で唯一「二胡用」松脂ですし。