この演奏者はジョージガオさん。
楽器の開発にも精力的で、youtubeでいろいろな動画を見ているだけでも、様々な形の胡琴を使っているのが分かります。
このジョージさんが開発した、普通の二胡に簡単に取り付けることができる移動式千斤で「QQ千斤」というのがあります。
僕がQQ千斤を手にいれて試して書いた以下の記事はずいぶん前のものですが、写真を貼りなおし一部修正して再掲します。
QQ千斤
黒い部分は金属製、黄色い固定千斤はすこしやわらかい?樹脂でできています。
現在は購入できるのかな?
僕はジョージガオさんのホームページから英語でメッセージを送ったらジョージさん本人が対応してくれて送ってくれました。
1本大体5000円くらいでした。
◎ジョージガオ QQ千斤紹介ページ
http://www.georgegao.com/qqqianjin/
使い方
こんな感じで取り付けます。
糸巻きのすぐ下に糸千斤をQQ千斤ごと巻きつけます。
QQ千斤の下部の端は小さな両面テープで竿に固定しています。
QQ千斤はレールになっていて、黄色い固定千斤を移動させて、好きな高さに千斤を設定することができますし、黄色い固定千斤を倒して糸千斤の部分の調弦で演奏することもできます。
糸千斤の時の調弦を、二胡よりも4~5度音域の低い二泉胡にあわせておいて、QQ千斤を取り付けた1本の二胡で二胡から二泉胡の音域までを演奏することができる、というのが謳い文句の商品です。
開放弦を自在に
黄色い固定千斤の位置は自由に変えられますから、ギターのカポタストのように開放弦の音を少しずつ変えることができます。
いろいろなキーに対応しなければならない場合は便利かも。
また複数の固定千金を使って、
幾つもの高さに千斤を用意しておいて。さっとキーチェンジすることもできます。
二胡1本を二泉胡から高胡まで様々に使い分けたり、
ギターのカポタストみたいに同じ指使いのまま演奏する調を変更することができたりするシステムです。
音色もグレードアップ!
このQQ千斤は、
「千斤を移動することができる」
ということのほかに、
「音色、演奏性が向上する」
効果もあると説明されています。
糸千斤のように、弦を上から縛っておくのではなく、弦を下から持ち上げる方式です。
この方式の千斤は板胡ではデフォルトのシステム。↓
弦の振動をしっかり制御することができたり、張りを強めたりすることができる感じです。
確かに、パン!と張った音色に替わります。
使ってみて…
僕がこのQQ千斤を見たとき、夢のアイテムだと思いました(笑)。
2セット買いましたもん*^-^*)ゞ
…でも、今は使ってません。
理由1:千斤の高さ(竿-弦)が変えられない
理由2:横幅のある黄色い固定千斤が弦を押さえる指に当たって邪魔
上記二つは慣れで解決できると思うのですが、
理由3:竿の最上部を二泉胡の高さにあわせると、二胡の音の高さに固定千斤を持ってきたときの千斤位置が低い。
これが僕がQQ千斤を使わない理由です。
ジョージさんは小柄な方
下の写真、左は、今の小林二胡の千斤の高さ。
右はQQ千斤をとりつけ、糸千斤を内弦A,外弦Eにあわせたとき、二胡の音の高さ(内弦D/外弦A)の場所に固定千金を設定した二胡です。
千斤の高さは音色と演奏性に大きな影響があります。
僕の好みの千斤位置が高めということもあって、QQ千斤取り付け時の調弦では弦の張りが弱まり、音色が好きになれませんでした。
また千斤が低いことで、第一ポジションでも押さえる場所の幅が狭く、自分の指ではとてもせせこましく感じてしまいました。
僕は直接お会いしたことはないのですが、ジョージガオさんはけっこう小柄な方だそうで、手もとても小さいとか。
演奏してる姿をみても、二胡が大きく見えますものね。
最近はこのQQ千斤を内臓しているジョージガオモデルの二胡も販売されているようです。
手の大きさとの整合性がとられているのか、試してみたいです。
ジョージガオ本人によるQQ千斤の説明動画。