A:しっかり“聴かせる装飾音”
B:目立たない、あくまで“飾りの装飾音”
装飾音は、上の二通りの扱い方をメリハリつけて使い分けている様です。
目立つので、どうしてもA的装飾音ばかり印象にのこりますが、
注意深く演奏を聴いてみると、演奏されているほとんどの音に
何がしかのB的な目立たない装飾音が施されていることが分かります。
よーーーーーーく注意して、何度もきいてみましょう。
なんなら、フリーソフトなどを利用して
曲の再生速度を落として、どんな技が使われているか研究してみるのもイイネ!
◎音声ファイルの再生スピード、音程を変えて練習できるソフト
http://erhufukui.linkulblog.net/e134511.html
実際の演奏でほとんどの音に装飾音がついているといっても、
楽譜には滑音や打音、ビブラート「vib.」
の指示記号なんてそんなに書かれていません。
僕は二胡の演奏に多用する装飾音の指示記号がほとんど楽譜上にないというのは、
指示がない部分について装飾音を「やってはいけない」 ではなくて
「ご自由にどうぞ」 ということだと理解していますw
目立たない隠し味のB的装飾音は、前後の音同士をつなげていったり、
フレーズに様々な表情をもたせる目的で、
演奏者が結構「手クセ」として適当に(失礼!)やっていることが多いと思います。
滑音は特に。
楽譜になんにも書いてなくても、演奏者が楽曲の背景や雰囲気をその人なりに理解した上で
手が勝手に装飾してしまう音。
この「手クセ」による楽譜にない装飾音のつけ方の違いが、演奏者の個性にもつながっていると思います。
二胡の「手クセ」は、歌では「歌いまわし」なんていわれるものです。
ご自由に、、、、といっても、やみくもに打ったり滑ったりしても
それっぽくなりません。
目立たない装飾音だからこそ、どういった場面でどのくらい打てば、滑れば
自分が「かっこいい!」と思うか。
いろいろなパターンを試して自分基準のアリ/ナシ判断を続けていくことが、
自分だけの音楽を形作ることにつながります。
逆に、楽譜にわざわざ書いてある打音や滑音の指示は、
「必ずここはやってくれよ」
という作曲者からの強いメッセージです。
なので演奏者は、
「ああ!君の気持ちに応えて、やってる、ほら、やってるよ!」
という思いで、目立つ装飾演奏Aをする場合が多いように思います。
もちろん装飾音の練習をする前提として、
正確なリズム、フォーム、音色、音程などの基礎がそれなりに身についている必要があると思います。
もちろん、繊細な運弓技術も。
装飾が一切ないと、のっぺりとした演奏になってしまいますが、
基礎という名のキャンパスがしっかりしていれば、
音の絵の具達もその上で華麗に舞うことができます)キリッ。 ( ´∀`)σσ それイイ!
二胡らしい滑らかで力強い演奏を生みだすために、
A:しっかり“聴かせる装飾音”
B:目立たない、あくまで“飾りの装飾音”
「今から弾く装飾音の役割はどっちだ??どんなふうに装飾したらかっこいいかな??」
と考えながら練習してみまっしょい!