弦にまとわりついている松脂


平和な日本…
だれもが穏やかな日常を謳歌している…そんなとき。
事件は起こってしまった。
被害者Aさん「本当にきれいな声をしていたんです…私の二胡は。
私もその音色に応えようと、必死で練習しました、来る日も来る日も。
妻には申し訳ないが………そう、愛していましたよ…
それが最近になって、あの声を聞かせてくれなくなったんです。
私のせいじゃないかと思って、余計に練習しました、でも…
こえはしゃがれるばかりで…もう私たちの関係はここまでなのかと、悩んでいるんです…う…ううぅ…」
      
       *****
…所かわって、花堂にある区素曲署の対策本部。
新入り刑事「ボス。これが今回の犯行現場の写真です。」

ボス「雑音の原因の犯人の見当が全くつかん…遺留品がひとつもないしな。」
新「しかたないですね…幾つもの線も想定して、洗い直ししましょう。」
?「ちょっとまった!!!」
ボ「だ、誰だ!?」
シャキーー-ーーーーーーーーーーーーーーーン!!

一同「ああっ、君は、マチルダ刑事!!」(←デカ とよんでね・∀・)φ
マ「みなさん…実は写真の中に、犯人は決定的な証拠を残しているんです…」
ボ「なんだって?この写真のどこに、被害者の二胡の雑音の原因の証拠があるというんだね、マチルダ刑事。」
マ「こちらをご覧ください。弦と弓の当たる部分を拡大したものです。」

新「ああっ??胴や弦に、真っ白な粉が…」
ボ「ま、まさか??犯人はクスリをやっていたのか??」
マ「そうです。松の樹液から精製したmatuyaniと呼ばれるクスリ。
これを弓の毛に吸わせることで、この世のものとは思えない歌声をだしていたんです…」
ボ「でもこんなに楽器が真っ白になるまで練習しているんだ。
クスリが多いことが、美声をそこねることにはならないんじゃないか?」
マ「弦のまわりを見てください。弦を包むように粉がまとわりついています。
多少のことならば問題ないでしょうが、弦が松脂でコーティングされてしまうと、雑音の原因となることがあります。
度を越すと精神の安定は失われ、だんだんヒステリックに…。
そう、犯人は誰でもない、Aさん自身だったのです。
時々、弦についている松脂はふき取ってやる必要があったのでしょう。
彼の過剰な愛が、関係のバランスをくずしてしまった…残念なことです…」
  
    マチルダ刑事は今日も難事件を解決した。
    日本に潜む悪を、うまいこと解決してくれ!マチルダ刑事!!

実際、写真にある例くらいの松脂コーティングぶりではたいして影響ないと思いますが、
弓がさわるところが松脂でアメリカンドッグみたいになってたら、ふき取ってあげましょう!

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