北方四島ビザなし交流に参加しました。その2/国後島前編



6月29日。2012年度第1回ビザなし交流2日目、国後島に上陸です。
上の写真は早朝、旅客船“えとぴりか”船上よりの眺め。緑豊かな島です。


島の時間は+2時間

北方四島の時間は日本より2時間進んでいます。
現地時間9時には準備完了していないといけないとのことで、日本時間でいう5時すぎから朝食だなんだの準備。早起きがちょっとつらかった…^^;

島には港がありますが、こちらの船をつけるわけにはいかないようで、“えとぴりか”はずっと洋上待機。
時間になったら、ロシア政府の係員が「はしけ」にのってやってきます。
船内で入域手続きを行い、それからメンバー一人一人の顔を確認して、はしけに乗り込みます。

*はしけ・ロシア政府の人を写真に収めてはいけないとのことで写真なし。
はしけってはじめてのったけど、結構最初は怖いものですね。

*北方四島は外国ではないので、そこへの出入りについては「入域」「出域」という言葉を使います。

漂流物調査


国後島に上陸後、63名の訪問団は2チームに分かれ別行動。
僕のチームは海岸へ向かい、漂流物調査をします。

海岸はたくさんの海草が打ち上げられたまま腐っていて、鼻をつまむほどではないですが、独特の臭いが漂います。


海鳥の研究をしている先生の指示のもと、範囲を区切り、そこにある海から流れ着いたゴミを集め、分別します。
これには、地元の子供たち20数名も一緒に行いました。

子供たちは「コンニチワ」「サヨナラ」くらいは知ってるようで、元気に挨拶してくれました。
僕らが「ニーハオ」「シェーシェー」くらいはなんとか理解してるのと同じような感じでしょうか。

多いのは、地元で行われている定置網の作業の時にでるロープやプラスチックの破片。
わけのわからん鉄片や日本ではみない形のペットボトル、
韓国漁船によるあなご筒漁で使われるプラスチック製の道具も。
この海岸からは知床半島が見えるので、日本からのゴミもちらほら。

日本の感覚からするとこれでもきれいな海岸だと思いましたが、日本みたいに海水浴客で賑わうわけでもなく、ほとんどが漂流物なんですよね。

ところで北方四島にはゴミ処理や浄水施設はなく、ゴミは荒野の一箇所にまとめて置いてあるだけ、生活廃水は海に垂れ流しだそうです。蛇口の水は飲めません。
ほとんどがまだ開発されていない島だからこそ可能な生活ではあります…。

作業中に突然熊が!!!!!やばい!!(;´Д`)ノタスケテ~

離れていたのでよかったですが、ビビリの小林はかなりビビリました。
ハンターさんが来て、追い払ってくれます。


ハンターさんとパチリ!ありがとうハンターさん!

海岸で昼食をいただきました。

この他にコンソメスープと手作りピザ。
ハンバーグうまかったなあ~
ロシア人の主食はじゃがいも。この訪問ではこのあと、たらふくじゃがいもを食べることになります。

ダーチャ


その後、ダーチャとよばれる家庭菜園&別荘を見学。。
(写真にはありませんが、すぐとなりに別荘もあります。)

ダーチャは大陸では昔からありましたが、国後島では1990年代初頭からはじまったそうです。
ペレストロイカがうまくいかず経済不振となり、当時のソ連本国から食料が移送が滞るように。
そこで、畑に向かない土地を切り開き、家庭菜園で自給自足をはじめたとのこと。
島の人は、かなり所得の低い人でもダーチャを持ち、週末をそこで過ごしているそうです

ダーチャの多くは太平洋側より暖かいオホーツク海側に作られるそうです。
畑の大部分はやはりじゃがいも。他に野菜、ベリーなどを育てます。ビニールハウス栽培も行うそうです。
現在では土地の所有権も認められているとか(完全なものではないそうですが)。

見学させてもらったダーチャは、電気水道がきていません。
電気はディーゼル発電機で。
近くに小川がないダーチャでは、ドラム缶に雪を溜めておいたり、雨水をタンクに集めたりして飲み水を確保するようです。

ロシアの人はお花が大好き。

タイヤをプランターにするのは、ロシアではよくやるそうです。面白いアイデアですね~

オフロードを爆走!

次の見学場所へ移動します。

訪問団63人の移動は、住民の自家用車を20台ほど集め、行列を作っての大移動。
ほとんどが中古日本車。キーを差し込むと「カードがささっていません」と日本語アナウンスがかかる車もあったそうですw。


道路の舗装は一部しかされておらず、あとは馴らしただけのオフロード!すさまじい悪路でした。


この動画の様子でもかなりマシな場所です。
「途上国にもこんなとこない!」という声も(笑)。

ロシアが行っている「新クリル発展計画」によって続々舗装工事は行われてはいるようです。

また、10年ほど前のビザなし交流訪問団は軍の車で移動していたとか。
10年で車がこれだけ一般に普及しているということでしょうか。

メンデレエフ空港


容赦なしのオフロード進むと突然現れた施設「メンデレエフ空港」。
残念ながらこの日は休業日とのことで駐車場で解説を聞くだけで中は見れませんでした。

1995年から稼動している空港で、建物は最近のものだそうです。
それまでは鉄板を敷き詰めて滑走路にしていたそう。危険ですね(;´Д`)

最新の管制システムを備え、AN24型機AN26型機といった「第3クラス(?)」の飛行機までの離着陸が可能だそうです。

定期便周5便運行。年間利用者約12,000人。貨物約40トン。
サハリンの「ユジノサハリスク空港」への便のみだそうです。
この空港から大陸へはサハリン経由となりますが、地元の人はウラジオストクへの直行便を求めているそうです。

中が見れず残念!
また車に乗り込み、大地を突っ走って、今度は町へ向かいます…続く!

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