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中阮の調弦


このブログのアクセス解析を見てみると、どういったキーワードで検索をかけてこのブログに来られたか分かるようになっています。

けっこう上位にある意外なキーワード「中阮 調弦」。

うまいこと韻踏んでますね。
中阮の調弦について紹介します。


一般的中阮の調弦

↑これ、中阮です。
…実は僕も詳しいことわからないんですよね^^;
これがどんな楽器かは、以下の動画をご覧いただくとして

調弦については、以前台湾に旅行したときに買っておいた換え弦のパッケージに書いてありました。

【 4弦・A / 3弦・D / 2弦・A / 1弦・D 】
 ←低い                  高い→

オープンDチューニングになるのかな?

中阮も、演奏する曲や合奏する楽器によってこだわになく調弦を変えて演奏されますので、あくまでこれはレギュラーチューニングということですね。
ご参考まで!

弓の毛 洗ってみた


二胡の弓。モサモサは馬の尻尾の毛です。
ここに松脂を塗ることで摩擦力が生まれ、音がでるわけです。

使い続けていると、松脂がとれやすくなってきます。
毛が痛むのが主な理由で、これはしょうがない。

他に、手の油などの汚れで松脂がつきにくくなってしまうという説もあります。
そのため、「弓の毛を洗うと毛の力が復活する」という話は良くききます。

そんなの都市伝説だ!と思ってきましたが、ちょうど半年しか使ってないのにヨレヨレになった弓があるので試しに洗ってみたいと思います。


お風呂場へ

ノープランでお風呂場へ。
毛ですから。シャンプーしましょう!今回つかったシャンプーはこちら。

パックスオリーという自然派シャンプーです。

竹や手元の編んである部分が濡れないように、こんな風に持ってみました。

桶にぬるま湯をいれ、すこしずつ浸します。


じゃぼーん

シャンプーを少量つけ、洗っていきます。


手元の汚れがたまった部分も念入りに。でもあまりキレイにはならなかったです。

っていうか凄く洗いにくい!僕が長年坊主で長髪の洗い方を知らないからでしょうか。
それでも可能なかぎり念入りに。


ゆすいで終了!

タオルで水気をとり、陰乾しです。

結果は?

洗った毛。ついていた松脂はきれいにとれたようで、新品同様全く音はでません。
ただ、毛がすごくギシギシしてます^^;リンスもするべきだったか…w

松脂を塗って弾いてみましたが、洗浄前よりは松脂が多くのるようになったのか、多少手ごたえが強くなり、しっかりした音が出ているようには感じました。

でも、洗浄前と同じくらいの演奏時間で松脂が足りなくなってきます。
もう毛が痛んでたんでしょうかね。

新品と比較してみた

予備で持ってた新品の同じ弓と比べたら…やはり、新品は全然ちがいましたw
強い手ごたえ。松脂の持ちもかなり長い。

今回の場合は、洗うことで寿命が伸びるとは感じられませんでした。

普段の使用状況によって、毛の汚れが多い人には効果があるかも。
やってみよう、と思う人は自己責任でお試しください。

竹+木 最近の弓


ちょっと弓替えてみました。

“弓魚”というわれる、馬の毛と竹をつなげる部分には木材が使われていることも多いですが、二胡の弓というと、1本の竹でできているものが一般的です。

ところがこちらは、弓の先から手元付近までは竹ですが、手で持つ部分だけ黒檀でできていて、竹と継いであるという弓。
ゴムが巻いてありますが、その中で金属の輪で竹と木がつながっています。

わざわざなんでそんなことするんだ…と最初は思いました。


竹+木は最近のトレンドだそうです

僕が二胡をやってる10数年のうちにも、弓の仕組みにはいろいろ変遷がありました。

過去記事参照↓
●弓の“節”

上の写真のは黒檀なので黒いですが、紫檀を使った赤い弓もあるそうです。

バイヤーさんが、この竹と木を継いだ弓を作っている職人さんに「どうしてそんなことしてるの?」と聞いたら「知らない(´ー`)チラネーヨ」と答えられたとか…
中国では分業が進んでいて、工場責任者でさえ、この部品が何なのか知らないケースは多い、と聞きます。^^;

さて、使用感

最初は「重い」と思いました。
このモデルは毛の量も多く、しっかりした作りではありますが、やはり木の割合が多い感じです。

普段、軽い弓を使ってるので、この重さは致命傷か…
と、思いましたが、しばらく使ってみると、ちゃんと理由があることが分かりました。

重量バランス


二胡の弓は、

先が軽く、手元が重く

作られている場合が多いです。
そのほうが扱いやすく感じるからでしょう。

それなりの高級を謳っている弓なら、竹も手元は太く、先に行くほど細くなっている弓は多いと思います。

「手元に木を使う」今回の弓も、竹自体も先に行くほど細くなっていますが、木材によって手元部の重量がさらに上がっているというバランスを持っています。

手元がしっかりと重く、先が軽いので、総重量としては重い部類に入るものの、その割りには弾きやすい弓だなと感じました。

毛も多いので、しっかり弦を鳴らすことができます。
扱いやすさと鳴りを両立させている商品ですね。

かといって、やはり重いので、速弾き命な方にはしんどいかも。
ゆったり癒しの音色が欲しい方、見かけたら一度お試しアレ!

教訓

二胡の弓 
 
 使ってみないと
 
  わからない


なつかしい!僕が最初に見た教則ビデオw

スポンジ控制綿は時々交換しよう


めったに使わなくなった中胡。久しぶりに弾きました。
やっぱいい音するなあ~弾きにくいけど^^;

弾きおわって楽器を見ると、駒の下に挟んである控制綿がボロボロになっているのに気づきました。


スポンジぼろぼろ


↑これがその写真。わかりにくいですが、スポンジの表面はガサガサになって、触っているとポロポロと崩れていきます。

僕が使っている控制綿は、100円均一で売っているファンデーション用スポンジを切ったもの。
新品はすごくしっとりとしてみずみずしいスポンジです。

二胡に取り付けておくと、空気に触れるのでとんどんカサカサになっていくんですね。

では交換


では、新品に交換です。
う~んしっとり!

スポンジを新品に換えて音は変わったかというと…正直よくわかりませんでした^^;

でも潤いを失ったスポンジでは、弦がめり込んで行くような感じになり、いつ演奏に影響がでてもおかしくないと思います。

スポンジ系の控制綿を使っている人は、表面がボロボロになったら交換しよう!

フェルト系の控制綿も年に一度くらい変えたほうがいいと言う説もあります。
僕は以前5年間同じフェルト使ってましたが…

ストックは空気に触れないように

僕はファンデーションスポンジ10個入りを買って、一つを4等分して使っているので、一袋買ったらかなりの数の控制綿ができます。

のこりはジップロックにいれて、乾燥しないように保管しています。

弓のネジ部のグリス


健やかな、朝…

まどろみの中、生徒さんから届いたメール…

「たいへんです!!!!!!ネジをはずして弓魚をとったら、弓が中で腐食してましたあ!!(´д`)」

Σ(゚Д゚)ェエーーーー!


弓の中

添付された現物写真がこちら↓

これは腐った竹ではなく、グリス です。

弓の端っこはネジになっていて、そのネジが弓魚(毛を止めてる部分)に入っている仕組みになっています。

ネジ部は金属製。
弓の毛の張り具合を調節するため頻繁に動かすので、ネジが回りやすいようにグリスが塗ってあります。

今回の事例の弓の場合は、そのグリスがたっぷり塗ってあった、ということになります。

支障は?

普段使っているときにグリスが竹の隙間からはみ出てこないなら特に問題はないかと思います。
まあでも今回の弓の場合はたしかに多いので、はじめて見たらビックリしますよねw。

このくらい盛られた弓もけっこうあるので、不良品というわけではありません。
盛られたグリスは、普段使っているうちに少しずつネジ部についていく、という効果も考えられると思います。

このグリスはけっこう重要で、僕も以前にたっぷり盛られたグリスをキレイにふき取ったら、しばらくしてネジが回らなくなったこともありました。

すこし残しておいて、ネジの回りが悪くなってきたらネジ山にちょっとつけてあげるといいと思います。

千斤取り付けの考え方 その2【幅】


千斤をどこにどう取り付けるのか、を考える。第2回は【幅】。
千斤によって結ばれる 竿から弦までの距離 について考えます。


幅が変わると何が変わる?

竿から弦までの距離。ここは、固定千斤では変えることができないところですね。

糸千斤を巻くときに調整します。
目安としては、<親指の爪幅にあわせる>というのがあります。
→●はじめての千斤の幅の目安

この幅を変えることで考えられる影響は大きく2つ。

1)弦のV字角度が変わる

→●弦の巻き方に一工夫 その2

↑こちらの記事にある、糸巻き - 千斤 - 駒 の角度。
千斤の幅によってこの角度が変わります。
リンクの記事にそれによる影響なども書いてあるので、見てみてください。

2)左手の形が変わる

こちらが大きな問題です。
下図を見てください。
左・千斤幅適正 / 右・千斤幅広すぎる

演奏する状態で自分の二胡の左手を見たとき、図右のように指がしっかり弦より右側に出て弦を上から触るような形が望ましいと思います。

千斤幅が広すぎると、そのぶん指が寝てしまう。
(小林的に)正しい持ち方ができなくなってしまいます。
もちろん狭すぎてもよくない。程度もんです。

参考→●二胡の持ち方・左手2 手首

巻きっぱなしは注意

竿と弦との距離は、左手フォームに大きく影響します。
これは練習を始める前に解決しておきたい根本問題ですよね。

初めての人でも、自分の二胡で、きれいな左手フォームが作れるかどうかを確認してください。

きれいなフォームが形だけでもできるならOK。できないなら形だけでもきれいにもてるように調整しなければ、きれいフォームは身につかないかも。

中国製の二胡は、けっこう千斤幅広めで結ばれていることが多いと感じます。
それに慣れていると、自分の親指の爪幅に合わせると「せまい!」と感じると思います。

きれいなフォームがちゃんと作れる。これが条件となります。

千斤取り付けの考え方 その1【高さ】


糸の千斤を取り付ける場合、取り付ける高さと、弦と竿までの距離を考えなければなりません。

買ったときのそのまま、という貴方!
千斤のとりつけ位置の目的について考えてみましょう。


千斤の高さで何が変わる?

千斤の高さを変えると、2つの要素が変化します。

1)音の幅が変わる
千斤を高くすると、弦の上の指で押さえる場所の幅が広くなります。
手の広がらないはじめのうちは、千斤を余り高い場所に取り付けないほうかいいかもしれません。

かといって、「ちゃんと音程が出ないから」と安易に千斤を下げたりすると、いつまでたっても上達しませんよ!

千斤を低くして<音の幅が狭い>方が弾きやすそうに思いますが、
音の幅がせまい、ということは【すこしずれると大きく音程が変わる】ということ。

後述しますが、千斤が低いと弦の張力も弱まるので、少しの力で弦がたわんでそれで音程も変わってしまいます。

2)弦の張力が変わる
千斤の高さは人それぞれですが、どの高さにしたとしても、二胡の場合 内弦D/外弦Aにあわせることは同じです。

千斤が高くすると、同じ内弦D/外弦Aに合わせるためには、より強く張る必要があります。
弦の張りの強さはとても重要で、音色と演奏性に大きく影響があります。

それなりに強く弦を張ることで、音色にハリがでて音量がアップし、少しの力では弦がたわみにくくなるので音程も安定しやすくなります。

単純に言うと、千斤を高くするほうが音が良くなる、というわけです。

まとめると?

千斤を高くすると、手を広げなければならなくなりますが、音は良くなる。
千斤を低くすると、手は広げなくてもいいけど、音は悪くなる。

最初のうちは左手が広がらないから音色を犠牲にしてでも千斤は低めに設定して、
慣れて左手が広がるにしたがって、少しずつ千斤を高くしていく、というのがセオリーです。

どこまで高くする?

千斤を高くすると音色が良くなります。
しかし、あまり高くしすぎると、薬指や小指が届かなくなってしまう。これは本末転倒。

なので、第一ポジションの小指がギリギリ届く高さに千斤をもって行くのがいいのではないでしょうか。

ここで注意!
<第一ポジションの小指>は当然正しいフォームで押さえないと意味がありません。
この正しいフォームが身につくまでは、あまり無理のない高さで練習する必要があります。

とりあえずの千斤の高さのあわせ方としては↓が有名ですね。
→●はじめての千斤の高さのあわせかた

でもこれはあくまでも目安。どうしても楽器的に低めになります。
きれいな左手フォームがみにつくまではこれでいいと思います。

結論!千斤の高さはこう決めよう

【千斤の高さは正しいフォームの第一ポジションの小指がギリギリ届く高さに】

練習の果てに正しい左手フォームが身についたら。
千斤の意味をよく考えながら、いろいろと試してみられることをお勧めします!

はじめての千斤の幅の目安


ヽ(´ー`)ノ買っちゃったあ!MY二胡!

さっそく練習…その前に、千斤を調整して自分に合わせる必要があります。
今回は

竿から弦までの距離

の目安について。


だいたいですよ

千斤の、竿から弦までの距離は、よくわからないはじめのうちは、

親指の爪の幅くらい

というのがひとつの目安です。
とりあえず親指の爪幅に千斤を調整して、その後、微調整していくのをお勧めします。

とはいえ、これも大した根拠はありませんので、あくまで目安ですよ。

MY二胡を修理


外弦の開放弦がひっくりかえる現象に悩まされています。
「千斤巻きなおし」「駒交換」「微調整ネジ取り外し」「弦交換」効果なし。

季節的な物思いかな、とも思いますが、演奏にかなり支障をきたしてきたのでちょいと修理してみました。


糸巻き


僕は普通の木軸糸巻きの二胡を使っています。
調弦の際はほとんど「微調整ネジ」で事足りているので、あまり糸巻き自体を回すことはありません。

問題の外弦の糸巻き、スムーズにまわらず「がくっ!がくっ!」としか回らない様子。
外して竿との接点をみてみると、糸巻きと竿の穴が接している場所が少ないようです。

すこし紙ヤスリをかけて木軸の表面をならして、竿に通してすこしグリグリしてからとりだすと、接している場所だけがツルツルになってきます。
これをみて、接地面積を見ます。

ほとんどいくつかの点のみで接するような感じだったので、その点の部分を削り、接地面積が増えるように糸巻きを削って、組み立て。

完全に復活…とは行きませんでしたが、開放が裏返る現象はかなり減りました。

その後、数日弾いていると、かなり裏返り現象がなくなりました。
削った部分の“慣れ”もあるんですね。

竿に印 その2 5つのデメリット



photo credit: dawvon via photo pin cc

僕は二胡の竿に印をつけるのはよくないことだと考えています。
ざっと思いついた5つのデメリットを説明してみます。
さあ勇気をもって、いますぐはずしましょう!


理由① 音を聴きいて修正しながら弾く習慣が身につかない

これが一番の理由です。目で印を見て弾くようになってしまいます。

印があると、すぐにでも“それなりの正確さの音程”が出せます。
“それなりの正確さ”とは、印象として「オンチだなあ~(一応メロディは伝わるけど)」くらいでしょうか。

二胡は後述のように音程が変わる要素が多いので、印の場所を押さえただけで正確な音程は望めません。
しっかりと自分の音を聴きながら、イメージしてる音との違いがあれば、すぐに左手の動きに反応させるクセをつけなくてはいけません。

二胡はプロでも一発で正確な音程を押さえられるものではなく、誤解を恐れずに言えば「まあこの辺りかなあ~」って感じで押さえて音を出してしまって、その音を聴いてから微調整をかける、ということを全ての音についてやっているものです。

印を見て押さえることで“押さえた”つもりになって、もう気持ちは「次の音の印はどこかな??」になってしまいます。
こういうのも良くないクセと言えるのではないでしょうか。

微妙に変化する音程を自分の表現の味方にすることが、二胡の演奏のステップアップにとても大切です。

理由② 正しいフォームが身につきにくい

二胡の演奏で最初に修得しないといけないものは、「正しいフォーム」です。

最初は誰でもいい音程がとれないもの。
そこで、「これはだめだ。でも印つければ!」ということでシールを竿にはったりするわけですが、
印の場所に指先を当てることが全てになってしまって、手首~腕全体のフォームを整えることに意識がまわらなくなってしまいます。

はじめはヒドイ音程でも、フォームさえちゃんと身につけば、美しい音程と音色はあとからついてきます。

また、雑なフォームでもそれなりの音程を押さえることはできますが、ビブラートなど装飾音やポジション移動などが複雑に絡む段階で大きな壁にぶつかることになります。

理由③ 楽器の構造

三味線や三線などでは竿にシールを貼って、押さえる場所を分かりやすくするのにはそれなりに効果があります。

二胡はこれらの楽器とはちょっと構造上の条件が異なります。
二胡は弦が空中に浮いている状態で押さえます。

指板のようなものに押さえつけて弦を固定しないので、弦を押さえる強さによっても音程が変わってしまいます。
また、弦と竿の印が離れているため、印を見て押さえたつもりでも、けっこうズレてしまいます。

理由④ 調が変わると印の場所がどんどん変わる

様々な調の曲を演奏するわけですが、演奏する調によって押さえる場所が内弦外弦が入り組んで複雑に変わっていきます。

印を頼りに“見て弾く”クセから抜けれない人は、新しい調を習うごとに色の違うシールをはったり、ほんと涙ぐましい努力をされておられます…

理由⑤ 痕がのこる

昨日の記事の例もそうですが、長くシールを貼ったりしておくと、糊がこびりついたりします。
木の色がそこだけ変化するとか。
そうして修正不能な痕がのこると、それこそ演奏に悪い影響があるかもしれません。

勇気をもって、印をはずそう!

長年印を見て弾いてきた人ほど印をはずす勇気がもてなかったりします。
印をはずしたとたん、音程は不安定になります。
でもそれは、印に頼りすぎてきた代償といえるでしょう。

でもそれも、しばらくで慣れます!w
印ありで、けっこう正しい音程が取れていた人は、必ず印なしでもできるようになります。

印をはずして、もっと自由に音楽を!!!

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