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健やかな、朝…

まどろみの中、生徒さんから届いたメール…

「たいへんです!!!!!!ネジをはずして弓魚をとったら、弓が中で腐食してましたあ!!(´д`)」

Σ(゚Д゚)ェエーーーー!


弓の中

添付された現物写真がこちら↓

これは腐った竹ではなく、グリス です。

弓の端っこはネジになっていて、そのネジが弓魚(毛を止めてる部分)に入っている仕組みになっています。

ネジ部は金属製。
弓の毛の張り具合を調節するため頻繁に動かすので、ネジが回りやすいようにグリスが塗ってあります。

今回の事例の弓の場合は、そのグリスがたっぷり塗ってあった、ということになります。

支障は?

普段使っているときにグリスが竹の隙間からはみ出てこないなら特に問題はないかと思います。
まあでも今回の弓の場合はたしかに多いので、はじめて見たらビックリしますよねw。

このくらい盛られた弓もけっこうあるので、不良品というわけではありません。
盛られたグリスは、普段使っているうちに少しずつネジ部についていく、という効果も考えられると思います。

このグリスはけっこう重要で、僕も以前にたっぷり盛られたグリスをキレイにふき取ったら、しばらくしてネジが回らなくなったこともありました。

すこし残しておいて、ネジの回りが悪くなってきたらネジ山にちょっとつけてあげるといいと思います。


千斤をどこにどう取り付けるのか、を考える。第2回は【幅】。
千斤によって結ばれる 竿から弦までの距離 について考えます。


幅が変わると何が変わる?

竿から弦までの距離。ここは、固定千斤では変えることができないところですね。

糸千斤を巻くときに調整します。
目安としては、<親指の爪幅にあわせる>というのがあります。
→●はじめての千斤の幅の目安

この幅を変えることで考えられる影響は大きく2つ。

1)弦のV字角度が変わる

→●弦の巻き方に一工夫 その2

↑こちらの記事にある、糸巻き - 千斤 - 駒 の角度。
千斤の幅によってこの角度が変わります。
リンクの記事にそれによる影響なども書いてあるので、見てみてください。

2)左手の形が変わる

こちらが大きな問題です。
下図を見てください。
左・千斤幅適正 / 右・千斤幅広すぎる

演奏する状態で自分の二胡の左手を見たとき、図右のように指がしっかり弦より右側に出て弦を上から触るような形が望ましいと思います。

千斤幅が広すぎると、そのぶん指が寝てしまう。
(小林的に)正しい持ち方ができなくなってしまいます。
もちろん狭すぎてもよくない。程度もんです。

参考→●二胡の持ち方・左手2 手首

巻きっぱなしは注意

竿と弦との距離は、左手フォームに大きく影響します。
これは練習を始める前に解決しておきたい根本問題ですよね。

初めての人でも、自分の二胡で、きれいな左手フォームが作れるかどうかを確認してください。

きれいなフォームが形だけでもできるならOK。できないなら形だけでもきれいにもてるように調整しなければ、きれいフォームは身につかないかも。

中国製の二胡は、けっこう千斤幅広めで結ばれていることが多いと感じます。
それに慣れていると、自分の親指の爪幅に合わせると「せまい!」と感じると思います。

きれいなフォームがちゃんと作れる。これが条件となります。


糸の千斤を取り付ける場合、取り付ける高さと、弦と竿までの距離を考えなければなりません。

買ったときのそのまま、という貴方!
千斤のとりつけ位置の目的について考えてみましょう。


千斤の高さで何が変わる?

千斤の高さを変えると、2つの要素が変化します。

1)音の幅が変わる
千斤を高くすると、弦の上の指で押さえる場所の幅が広くなります。
手の広がらないはじめのうちは、千斤を余り高い場所に取り付けないほうかいいかもしれません。

かといって、「ちゃんと音程が出ないから」と安易に千斤を下げたりすると、いつまでたっても上達しませんよ!

千斤を低くして<音の幅が狭い>方が弾きやすそうに思いますが、
音の幅がせまい、ということは【すこしずれると大きく音程が変わる】ということ。

後述しますが、千斤が低いと弦の張力も弱まるので、少しの力で弦がたわんでそれで音程も変わってしまいます。

2)弦の張力が変わる
千斤の高さは人それぞれですが、どの高さにしたとしても、二胡の場合 内弦D/外弦Aにあわせることは同じです。

千斤が高くすると、同じ内弦D/外弦Aに合わせるためには、より強く張る必要があります。
弦の張りの強さはとても重要で、音色と演奏性に大きく影響があります。

それなりに強く弦を張ることで、音色にハリがでて音量がアップし、少しの力では弦がたわみにくくなるので音程も安定しやすくなります。

単純に言うと、千斤を高くするほうが音が良くなる、というわけです。

まとめると?

千斤を高くすると、手を広げなければならなくなりますが、音は良くなる。
千斤を低くすると、手は広げなくてもいいけど、音は悪くなる。

最初のうちは左手が広がらないから音色を犠牲にしてでも千斤は低めに設定して、
慣れて左手が広がるにしたがって、少しずつ千斤を高くしていく、というのがセオリーです。

どこまで高くする?

千斤を高くすると音色が良くなります。
しかし、あまり高くしすぎると、薬指や小指が届かなくなってしまう。これは本末転倒。

なので、第一ポジションの小指がギリギリ届く高さに千斤をもって行くのがいいのではないでしょうか。

ここで注意!
<第一ポジションの小指>は当然正しいフォームで押さえないと意味がありません。
この正しいフォームが身につくまでは、あまり無理のない高さで練習する必要があります。

とりあえずの千斤の高さのあわせ方としては↓が有名ですね。
→●はじめての千斤の高さのあわせかた

でもこれはあくまでも目安。どうしても楽器的に低めになります。
きれいな左手フォームがみにつくまではこれでいいと思います。

結論!千斤の高さはこう決めよう

【千斤の高さは正しいフォームの第一ポジションの小指がギリギリ届く高さに】

練習の果てに正しい左手フォームが身についたら。
千斤の意味をよく考えながら、いろいろと試してみられることをお勧めします!


ヽ(´ー`)ノ買っちゃったあ!MY二胡!

さっそく練習…その前に、千斤を調整して自分に合わせる必要があります。
今回は

竿から弦までの距離

の目安について。


だいたいですよ

千斤の、竿から弦までの距離は、よくわからないはじめのうちは、

親指の爪の幅くらい

というのがひとつの目安です。
とりあえず親指の爪幅に千斤を調整して、その後、微調整していくのをお勧めします。

とはいえ、これも大した根拠はありませんので、あくまで目安ですよ。


外弦の開放弦がひっくりかえる現象に悩まされています。
「千斤巻きなおし」「駒交換」「微調整ネジ取り外し」「弦交換」効果なし。

季節的な物思いかな、とも思いますが、演奏にかなり支障をきたしてきたのでちょいと修理してみました。


糸巻き


僕は普通の木軸糸巻きの二胡を使っています。
調弦の際はほとんど「微調整ネジ」で事足りているので、あまり糸巻き自体を回すことはありません。

問題の外弦の糸巻き、スムーズにまわらず「がくっ!がくっ!」としか回らない様子。
外して竿との接点をみてみると、糸巻きと竿の穴が接している場所が少ないようです。

すこし紙ヤスリをかけて木軸の表面をならして、竿に通してすこしグリグリしてからとりだすと、接している場所だけがツルツルになってきます。
これをみて、接地面積を見ます。

ほとんどいくつかの点のみで接するような感じだったので、その点の部分を削り、接地面積が増えるように糸巻きを削って、組み立て。

完全に復活…とは行きませんでしたが、開放が裏返る現象はかなり減りました。

その後、数日弾いていると、かなり裏返り現象がなくなりました。
削った部分の“慣れ”もあるんですね。



photo credit: dawvon via photo pin cc

僕は二胡の竿に印をつけるのはよくないことだと考えています。
ざっと思いついた5つのデメリットを説明してみます。
さあ勇気をもって、いますぐはずしましょう!


理由① 音を聴きいて修正しながら弾く習慣が身につかない

これが一番の理由です。目で印を見て弾くようになってしまいます。

印があると、すぐにでも“それなりの正確さの音程”が出せます。
“それなりの正確さ”とは、印象として「オンチだなあ~(一応メロディは伝わるけど)」くらいでしょうか。

二胡は後述のように音程が変わる要素が多いので、印の場所を押さえただけで正確な音程は望めません。
しっかりと自分の音を聴きながら、イメージしてる音との違いがあれば、すぐに左手の動きに反応させるクセをつけなくてはいけません。

二胡はプロでも一発で正確な音程を押さえられるものではなく、誤解を恐れずに言えば「まあこの辺りかなあ~」って感じで押さえて音を出してしまって、その音を聴いてから微調整をかける、ということを全ての音についてやっているものです。

印を見て押さえることで“押さえた”つもりになって、もう気持ちは「次の音の印はどこかな??」になってしまいます。
こういうのも良くないクセと言えるのではないでしょうか。

微妙に変化する音程を自分の表現の味方にすることが、二胡の演奏のステップアップにとても大切です。

理由② 正しいフォームが身につきにくい

二胡の演奏で最初に修得しないといけないものは、「正しいフォーム」です。

最初は誰でもいい音程がとれないもの。
そこで、「これはだめだ。でも印つければ!」ということでシールを竿にはったりするわけですが、
印の場所に指先を当てることが全てになってしまって、手首~腕全体のフォームを整えることに意識がまわらなくなってしまいます。

はじめはヒドイ音程でも、フォームさえちゃんと身につけば、美しい音程と音色はあとからついてきます。

また、雑なフォームでもそれなりの音程を押さえることはできますが、ビブラートなど装飾音やポジション移動などが複雑に絡む段階で大きな壁にぶつかることになります。

理由③ 楽器の構造

三味線や三線などでは竿にシールを貼って、押さえる場所を分かりやすくするのにはそれなりに効果があります。

二胡はこれらの楽器とはちょっと構造上の条件が異なります。
二胡は弦が空中に浮いている状態で押さえます。

指板のようなものに押さえつけて弦を固定しないので、弦を押さえる強さによっても音程が変わってしまいます。
また、弦と竿の印が離れているため、印を見て押さえたつもりでも、けっこうズレてしまいます。

理由④ 調が変わると印の場所がどんどん変わる

様々な調の曲を演奏するわけですが、演奏する調によって押さえる場所が内弦外弦が入り組んで複雑に変わっていきます。

印を頼りに“見て弾く”クセから抜けれない人は、新しい調を習うごとに色の違うシールをはったり、ほんと涙ぐましい努力をされておられます…

理由⑤ 痕がのこる

昨日の記事の例もそうですが、長くシールを貼ったりしておくと、糊がこびりついたりします。
木の色がそこだけ変化するとか。
そうして修正不能な痕がのこると、それこそ演奏に悪い影響があるかもしれません。

勇気をもって、印をはずそう!

長年印を見て弾いてきた人ほど印をはずす勇気がもてなかったりします。
印をはずしたとたん、音程は不安定になります。
でもそれは、印に頼りすぎてきた代償といえるでしょう。

でもそれも、しばらくで慣れます!w
印ありで、けっこう正しい音程が取れていた人は、必ず印なしでもできるようになります。

印をはずして、もっと自由に音楽を!!!


事件です!こちらの写真をごらんください…

ヒエ━━(゚Д゚;)━━!
さささ、竿にキズがあああ!!

左手の指の押さえる場所が分かるように、竿にペンでグリグリグリグリグリと印をつけているうち、
深い傷を掘ってしまったようです…
なにもここまでしなくても^^;いい黒檀なのに~


“竿に印”はいいの?

二胡はフレットレスな楽器で、音程を自由に使えることが深い表現力の基にもなっています。
ただ、自分ののぞむ音程を取ること自体がものすごく難しいことでもあります。

とくに最初のころは音程を押さえる場所がよく分からなくて、
竿にシールなどで印をつけているのをよく見かけます。

三味線や三線、バイオリンでもシールの張ってある楽器を見ますね。

確かに、「( ‘o’)ここだよ!」と印が教えてくれるのはわかりやすいので、経験の浅い人でもそれなりの音程をとることができます。

でも、僕は二胡の竿に印をつけることはお勧めしません。
お勧めしない理由は次の記事で書きますが、デメリットがたくさんあるのに、印をつけるメリットとしては「それなりの音程を取れる」これひとつしかないからです。

竿にシールを貼ってる人!すぐにはがしたほうがいいですよ(*゚д゚)!
上の写真のように、シールの糊がこびりついて痕が残ってしまうことも考えられます。

ぜったい“印”つけたい!人へ。お勧めの方法

僕は竿については完全「無印派」なんで試したこともないですが、

弦に直接マニキュアで印をつける

という手があるようです。
これなら、手触りで場所を確かめられるし、押さえるポイントもより正確に近くなるとは思います。
こうしてつけたマニキュアはけっこうすぐとれていくようで、場所の感触を覚えていくにはいい方法かもしれません。

まあでも、つけないほうが、いいですよ~~

弓に印はOK!

音程をとるための印はダメ!ゼッタイ!ですが、
リズム感覚を養うために弓に印をつけるのはお勧めです。

以前、このブログでも紹介しました。ご参照ください。
→弓に印を

竿に印はダメ━(゚∀゚)━!!
理由は次の記事で!


ギターやベースには、左利きの人向けに作られたレフティモデルというのがあります。

左利きの人が二胡を弾く場合は、どうしたらいいのでしょうか???


左利きさんへのニ胡のススメ

ニ胡は普通、右手で弓、左手で弦を押さえる持ち方をします。
左利きでも、気にしないでこのまま弾けるならいいのですが、

どうしても左手で弓、右手で押弦したい!

という場合は普通のニ胡にちょっと工夫をして使うことになります。
ちなみに、左利き用の二胡、というのは販売されていません。

ニ胡をよく見てみると?


正面から見ると、ニ胡本体は左右対称に作られているのがわかります。
一部の部品の配置を換えることで、左手で弓を扱えるようになります。

デンペンを左側に

胴の上、擦れていく弓の当たる部分に、“デンペン”という樹脂の板が貼り付けてあります。
これを反対側に貼り付け直します。

    ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

弦の巻く方向

ニ胡の2本の弦は内弦と外弦で巻く方向が逆になっています。
これも、左利きにする際には逆にします。

注意!)一部の金属式巻き軸構造のニ胡では出来ない場合があります。

弓も逆さに

普通の木軸ニ胡ならば、デンペンと弦のまきを逆にした後、弓も普通とは逆に取り付ければレフティ二胡のできあがり!
そんなに難しい作業ではないので、左利きの方もお気軽にチャレンジ!!


弓奏楽器の多くで、弓の毛には松脂を塗って演奏します。
時には、しっかり松脂を塗ることをお勧めします!


月に1度くらいは…

松脂が減ってくると、音が出にくくなります。
つまり、松脂がついているところだけが音を出すことに影響していることになります。

弓の毛束は、何百本という毛を束ねてあるわけですが、
表面にだけ松脂を塗っていると、中の方には松脂のあまりついてない毛というのもでてきます。

月に一度くらいは、楽器から弓を取り外して、毛束の中の方までしっかり松脂を塗ってみてはどうでしょうか?

二胡から取り外して、かなり緩めた状態で、少し塗っては弓を振って、外の毛と中の毛を入れ替えながらまんべんなく塗っていきます。

こんな感じで↓

塗りすぎ注意!

塗りすぎは雑音の原因になります。
でも時々「毛の中までしっかり松脂塗る」をやると、新品のように弾きやすさが復活することもあるかも?


弦の巻き方には色々あります。
今回は、ちょっとプロっぽい巻き方(?)を紹介します!


弦の交換 その2


こちらの動画をご参照ください。

◎弦の巻き方 その1 より一手間多いですが、
これにより弦の先が糸巻きから外れにくくなるので、
不意に弦が外れちゃった時にも巻きなおしやすくなるかと思います。

…台本作らずにしゃべると、なんだか変ですね(;´Д)

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二胡に関する記事

奏法やメンテナンスなどの情報記事はこちらにまとめてあります。

→二胡情報一覧

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