「基礎」カテゴリーアーカイブ

基礎練習の目的


大切な大切な基礎練習。
この基礎練習に対する格言いっちゃるばい!


小林の考える基礎練習とは

みなさんは、基礎練習を

簡単なフレーズの反復練習

だと思っていませんか?
僕は基礎練習とは、

最小限の力で演奏できるようになること

だと考えています。

例えば、<ドレミファソラシド>というフレーズがあったとして、まあ正しいリズムと音程で弾けたとします(これが既に難しいですが)。
そこから先は、同じ演奏をより少ない力で行うことができないかを試していきます

深く息をはき、全身リラックスしてもう一度。
もっと楽に、少ないエネルギーで同じことができないか…
無駄な動きがあったり余計な筋肉が緊張していたりしないか、よく観察しながらの反復練習。

ただただやり込めば良いというものではなく、身体の様子をしっかり観察しながら、より少ない力で演奏することを目的にしていきます。

最小限の力ですから、そこからわずかにでも力が減ったら音にならないような境界線を探して行くような作業になります。

「毎日1時間は開放弦のロングトーン」とかやみくもにせず、基礎練習を繰り返して行った先に、どのような状態を求めているのかをしっかりイメージしてやるべきだと思っています。

そのフレーズを最小限の力で正確に弾く。
そこに向かって反復練習これ基礎練習也!おそまつ。

毎日のメトロノームの使い方でリズム感を鍛えよう


来る日も来る日も基礎練習…
人の声よりメトロノームの音を聴いている時間の方が長い、なんて残念な生活を過ごしている皆さん!

日々の練習でメトロノームが大の友達、というのはとてもいいことですが、すこし工夫をこらして、さらにリズム感を鍛えるアイデアを紹介します。


テンポは決まってるもの??

レッスンしていていつも思うことですが、

「この練習曲をテンポ65で練習してきました。」
「この曲はテンポ80ですよね?」

と、演奏するテンポを決めて、メトロノームを使って練習するときにもその数値にピッタリあわせて練習される方が多いなと感じます。

それはもちろん悪いことではないのですが、テンポ80と言われた曲はテンポ80でしか練習しない傾向があるように思います。

折角メトロノームを使うのであれば、こんなやり方はどうでしょう?

毎回テンポを1ずつ変えてみよう

同じ曲やフレーズを何度も練習するようなとき、

1回ごとに、メトロノームのテンポを1つだけ変えて練習してみます。

今、テンポ80で弾いたのなら、次はテンポ81、もしくは79にあわせて弾きます。
テンポひとつの速さの差というのはけっこう微妙です。ですが、確実に違います。

テンポを1つ速くしなたら、「あ、確かにさっきよりわずかだけど速い!」と感じられるかどうか。

「…全然違いがわからない(涙)」
であれば、テンポ値を2、もしくは3と変えて、「速くなった!」と自分が感じられる差をさがします。
それが、もっと細かい刻みでもテンポの速さの変化が感じられるようになることも、大切なトレーニングです。

こんなことを意識しながら練習すると、メトロノームを使うのが少し楽しくなるかもしれません。

二胡の持ち方・左手6 小指の動きの注意点 その2


左手小指がとどかな~い。
そんなあなたへのチェックポイント第2弾。


【正解】やはり手の平

小指は他の人・中・薬指とはちがって、手の平を大きく開いて寝かせ、小指を運んでいきます

小林的正解の手の平の動きを、ちょっと大袈裟にわかりやすく、指を開いた状態でやってみます。

↓これは、人・中・薬指を使うときの手の平の状態。

これが、小指を使うときは↓のようになります。

手をしっかり「パー!」にして、寝かせます。
手の平がちゃんと開いていれば、小指はかなり下まで届くはずです。

【誤り】手の平曲げてない?

「うそだ!全然とどかないぞ!」という方は、

手の平を折り曲げていませんか?

こんなふうに。

わかりにくいですね。二胡なしでやってみると

こんなふう。手の平を折り曲げて、ムリヤリ小指を下方向へ押し出そうとしています。
これではちょっと届かないですね。

これは、親指で竿を握ってたり、小指だけに意識が集中しすぎるとこうなります。
すごい力が入っているはず。これでは手も痛みます^^;。

そもそも左手のフォームが悪くて楽器の安定が不十分で、それで親指で竿を握ってしまうことが原因かもしれませんので、単に「手の平折り曲げないぞ」と思ってもなかなか治らなかったりします。

まちがったフォームになるにはその原因があるはず。しっかり原因を突き止めて根本治療することが大切です。

基礎練習のときのメトロノームの使い方


●練習のときのテンポ設定

↑の記事で、僕が基礎練習のときにテンポについて気をつけているところを書きました。
今回はその記事にちょいと補足です。


小林の基本は「より遅く」

ざっとおさらい。

●基礎練習のときのテンポは、とりあえず感覚で適当に決めて、それをさらに2段階ほど遅くしたところに決めます。

●基礎練習のときには、練習する曲に慣れれば慣れるほどテンポを落として、より細部に注意して練習します。

●練習のたびに少しずつ違うテンポにして練習します。

ということで、とにかく遅いテンポで練習しています。

電子メトロノームの機能を活用

テンポが遅い、ということは、メトロノームから聞こえてくるの拍と拍の間が大きく開くことになります。

「あんまり遅いと拍の長さがわからない」

そんな人は、メトロノームのリズム設定を変えて、八分音符や十六分音符でリズムが鳴るようにして、いわゆる「裏拍」を感じられるようにします。

僕のメトロノームも八分音符のリズムを標準にしています。
だから、テンポが遅くても「ぴ ぽ ぽ ぽ ぴ ぽ ぽ ぽ」とけっこううるさいですw

電子音が嫌い!という方もいらっしゃいますが、電子メトロノームは軽くて便利な機能を持っているのがなによりの利点。
練習目的にあわせて、積極的に活用してください。

設定なんてわからない!という人は

電子メトロノームは安くて小さくて多機能な製品が多いので、操作が分かりにくかったりします。
そんなときは、次のようにテンポを掛け算します。

テンポを2倍に設定する → 八分音符のリズムに
テンポを4倍に設定する → 十六分音符のリズムに

例えばテンポ40で練習したいなら、

メトロノームのテンポを80に設定すれば、聞こえてくるリズムはテンポ40の八分音符刻み
メトロノームのテンポを160に設定すれば、聞こえてくるリズムはテンポ40の十六分音符刻み

になります。
取扱説明書にアレルギーがある方は、こんな方法も参考にしてください。

面倒な僕は

僕は基本遅いテンポで練習しています。ストレス溜まります。

なので、ムシャクシャして速く弾きたくなったら、メトロノームはそのまま、2倍の速さで弾いてみます。

しばらくやっていると、「ああ、まだまだ速くは弾けないな…俺は未熟だったんだよ…」ということが実感できるので、また遅いテンポで練習できるという自己暗示にも使えますよw

劉天華の練習曲・過去記事に楽譜をリンクしました。


過去記事で劉天華の練習曲の動画を乗せていましたが、
その記事に先日見つけた楽譜へのリンクを貼り、曲目番号を修正しました。


これまでの「劉天華の練習曲」関連の記事

 ◎劉天華の練習曲「練習二十」 D大調一把位練習

 ◎劉天華の練習曲「練習十七」 D調小指練習

 ◎劉天華の練習曲「練習十五」 D調付点リズム練習

 ◎劉天華の練習曲「練習二十六」 G調第一把位練習

 ◎劉天華の練習曲「練習二十一」 変なリズム練習曲w

 ◎劉天華の練習曲「練習十六」 D調運指練習曲

劉天華の練習曲、全47曲の楽譜へのリンクは↓
 ◎驚き!劉天華の練習曲全曲楽譜があった!

スラー&タイの二重括弧について


楽譜をみると、複数の音符(数字)を囲む括弧が二重にかかっている場合があります。
そんな楽譜の読み方!


例えば


こんな楽譜があったとき。

二重括弧のうち、
上の括弧:違う音程を滑らかにつなぐ目的の“スラー”
下の括弧:同じ音程の音の長さをつなぐ目的の“タイ”

となります。

括弧がつないでいる音が
違うならスラー → その括弧の中の音を滑らかに弾きたい! → その音を一弓で弾く
同じならタイ → 音の長さを足す

この基本に則って、どういうフレーズになっているのか読み取ってみましょう。

例えば例えば?


↑こんな楽譜があったとさ。こんな風に演奏します。↓

スラー と タイ


五線譜と同じように、数字譜で音符の上に括弧がかかっています。
ご存知、 「スラー」 と 「タイ」 です。


どっちがスラー??


違う音程(数字)をつないでいる括弧 → スラー
同じ音程をつないでいる括弧 → タイ

ですね。
ニ胡やバイオリンなどの弓奏楽器では、この指示を次のように演奏します。

・スラーで囲まれた複数の音は一弓で弾く

・タイで囲まれた音は音の長さを足した分弾く

例えば?


こんな楽譜があったとした場合、上から順にこんな感じの運弓となります。↓↓

本来の意味

スラーがつくことによって、弓を扱う右手と音程を決める左手の動作のタイミングが入れ違いになってきます。
最初はそれだけで大事件(;゚∀゚)=3アヒャー!!

楽譜どおりにスラーを弾きこなすことが大変なのでついつい忘れてしまいますが、
そもそも、音符をつなぐ括弧のもともとの意味は、
括弧で囲まれた音を滑らかに弾く」というものです。

滑らかに弾くための手段として、複数の音を一弓で弾こうってこと。

せっかく一弓でたくさんの音を出していても、滑らかさが無ければ意味がないし、
逆に、音ごとに弓を返してしまっても、滑らかであればOKともいえます。

演奏行為の目的と、その先にある完成した音楽のイメージをしっかり持って演奏することは本当に大切です。
テクニックは、すべてその実現のための選択肢の一つにすぎません。

左利き用ニ胡の作り方


ギターやベースには、左利きの人向けに作られたレフティモデルというのがあります。

左利きの人が二胡を弾く場合は、どうしたらいいのでしょうか???


左利きさんへのニ胡のススメ

ニ胡は普通、右手で弓、左手で弦を押さえる持ち方をします。
左利きでも、気にしないでこのまま弾けるならいいのですが、

どうしても左手で弓、右手で押弦したい!

という場合は普通のニ胡にちょっと工夫をして使うことになります。
ちなみに、左利き用の二胡、というのは販売されていません。

ニ胡をよく見てみると?


正面から見ると、ニ胡本体は左右対称に作られているのがわかります。
一部の部品の配置を換えることで、左手で弓を扱えるようになります。

デンペンを左側に

胴の上、擦れていく弓の当たる部分に、“デンペン”という樹脂の板が貼り付けてあります。
これを反対側に貼り付け直します。

    ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

弦の巻く方向

ニ胡の2本の弦は内弦と外弦で巻く方向が逆になっています。
これも、左利きにする際には逆にします。

注意!)一部の金属式巻き軸構造のニ胡では出来ない場合があります。

弓も逆さに

普通の木軸ニ胡ならば、デンペンと弦のまきを逆にした後、弓も普通とは逆に取り付ければレフティ二胡のできあがり!
そんなに難しい作業ではないので、左利きの方もお気軽にチャレンジ!!

純正律の和音の響きを聴いてみよう!


昨日の記事 を書いてる途中、いい動画を見つけました。
平均律と純正律って、実際どんなふうに違うの?というのを聴くことができます。


純正律の和音を知ろう

こちらです。↓

教育目的で製作された自作ソフトのデモ動画のようです。
最初のよくわからんところはスルーして…^^;

0:30~平均律でのCコードの響き。
0:43~純正律でのCコードの響き。
0:59~再び平均律でのCコードの響き。

1:06~純正律でのC7コードの響き。
1:14~平均律でのC7コードの響き。

この順で再生されています。

違いが分かるかな??

平均律の和音の響きに比べ、純正律の和音はスッキリとニゴリが少ないことがわかりますか?
C7コードの方が差がわかりやすいかも。

…よくわからない…
という人は、落ち着いて、ちゃんとしたスピーカーやそれなりのヘッドホンなど、できるだけ“いい音”で聴ける状況を用意し、落ち着いて集中して二つの響を聞き比べます。
次第に感じられるようになってきますよ。

純正律に比べると、平均率の響にはニゴリというかスッキリしない感があります。
こういった響きを感じる感覚は、二胡の演奏でもシビアに音程をあわせていくために必要なことです。
これには、いわゆる「絶対音感」みたいなものは必要ありません。ちょっと訓練すればだれでも身につきます。

音をよく聴く習慣をつけたいものです。

ところでこのソフト、現在は配布していないそうです。
面白そうなのに~~

二胡の持ち方・左手5 小指の動きの注意点 その1


小指はむつかしい!
「小指の音が変だ~~」そんな時のチェックポイントを。


小指の股


この写真は僕の「小指を押さえた形」を前から撮影したものです。
小指の股しっかりが開いています。

せっかく手の平が寝ていても、ここがしっかり開いていないと小指は届きません。↓

実際、小指だけを横に開くって、普段の生活ではあまりやらないので、
体にとってはよくわからない動きだったりします。

指を1本ずつ真横に動かす、こんなストレッチも有効ですよ。

これなら、いつでも練習できますね。

他の指を押さえながら小指を押さえる

人差し指を保留したまま小指を押さえる。かなりしんどいです(涙)
↑は僕の場合。人差し指がキューっとなってます。

上から見ると↓

人差し指がきゅーっとなってます。

これは…慣れるしかありませんw。

指の関節をかなり柔軟に使う必要があるので、まずは保留なしの小指単体でキレイに動ける、押さえられるようになってから、簡単な練習で保留する練習をするという手順をとります。

ここでも、指の関節を柔軟にするストレッチなどをやってみてもいいかと思います。

以外な盲点

「ああ~小指が全然届かない~もうつりそう!」
ってほどもがいている人に多いことですが、実は小指の伸ばしすぎで音程オーバーしていて音程がおかしいのを、音程が低いと勘違いされていること多いです。
そこそこの高さの千斤の二胡で、順を追って小指をだせば、届かないってことは余りありません。

音程がヘン!ってときは、音程が高いのか低いのかをちゃんと見極めて、
弦を必要以上に押してないかなど、ひとつづつ確認して、きれいなフォームを身につけてください。

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